皆既日食2009ワールドレポート

洋上編

洋上を旅した人
voidphrenia http://sun.ap.teacup.com/voidphrenia/
精神科医。90年代にサイケデリックカルチャーの洗礼を受け、精神世界の探求の果てに2009年9月30日アイソレーションタンク併設の心療内科HIKARI CLINICを開業。アンチ・イリーガル。  
皆既日蝕 Lucy in the Sky with Diamond tour
7月20日:第1日目

2009年7月22日、遂に日本で皆既日食が体験できる。この一大イベントの存在を知ったのは2002年のギリシアのSamothraki Dance Music Festivalでのこと。ある日本のオーガナイザーが、2009年奄美大島でエクリプス・パーティーを行うので是非来てほしいと。結局そのオーガナイザーが奄美でパーティーを行うことはなかったけれど、皆既日食のことはずっと脳裏に残っていた。

エクリプスが近づき、各地へのチケットも売り切れの噂がちらほら。そこで飛び込んできたルーシー号のニュース。トカラ列島で行われる筈だったBOREDOMSのEYヨを中心としたパーティーが、皆既日食ブームに便乗した旅行会社の影響で実現が不可能になり、一時は中止を余儀なくされた。しかし、そのパーティーが、なんとロシア船でのクルーズという形で蘇ったという。詳しくはLucy in the Sky with Diamond tour のwebサイトで経緯を確認してほしいが、この素敵なシンクロニシティに彩られた催しには乗るしかない! しかも日食の瞬間にBOREDOMSなんてこれ以上のセッティングはあり得ない! と早速乗船を申し込んだ。

福岡港に午後3時半頃到着。搭乗手続きを済ます。出発ターミナルには頼もしい風袋の連中が続々と。早速ルーシー号へ乗り込む。

夕方5時頃には船は出港、向かうは南、トカラ列島へ。はやる気持ちを抑えつつ船内を散策する。他の乗船員も、居ても立ってもいられない様子で船内をウロウロ。船は9階建てで、下の船室から各ダンスフロア、食堂、甲板までくまなく回って歩く。ダンスフロアはMUSIC HALLと呼ばれる大きめのフロアと、NIGHT CLUBと称される最上階のラウンジ。ここにそれぞれサウンドシステムが搬入され、セッティングを待っている。

今から皆既日蝕まで二晩にわたってFOL&Mixroofficeのパーティーが繰り広げられる。そして皆既日蝕の直前、蝕の始まりからボアダムズのライブが行われる予定。ここにたどり着くまでは、本当にいろいろな困難があったと思われるが、その逆境をひっくり返して、こんなヤバイ企画を実行に移したマンゴスチンクルーの冒険心には、感心を通り越して呆れ返ってしまうほどだ。それほどデタラメなパーティーの予感が漂う。

ロシア船は結構な年代物。インテリアもセンスも60年〜70年代のテイスト。この素っ頓狂なミスマッチ感は、FOLのかつての拠点味園そのものではないか。この奇妙な符号にも、なにか必然的なものを感じてしまう。

食事は三食ロシア料理のフルコース。といってもロシア人の丁度いい湯加減のザックリ感で、ひと皿おわるごとにドンっと次の皿が置かれるって寸法。オーダーストップが近づくと、怒られて追い出されてしまう。メニューはサラダ、野菜スープ、肉or魚って感じだが、なんとなく大味&そこはかとなく酸味が効いてるのが特徴だ。

ルーシー号に乗り込んでみて、昔なじみの顔が結構いることに驚く。たぶん他の人達も同じような事情だったに違いない。以前からこのシーンを知っている人にとっては、同窓会的なイベント。そしてトランス以降に入ってきた世代にとっては、その古い世代が、いい意味でのゆるさや遊び方を伝えているようにも見えた。なんだか妙に年齢層も幅広い。20代中盤から40代中盤までが、思い思いに楽しんでいる感じ。今回この船に乗り込んだ最高齢は80代のおばあちゃんだそうだけど、そのおばあちゃん一行も、夜になりパーティーが始まれば、EYヨのDJで若者と一緒に踊っていた!

初日はなんだかその同窓会ぶりが楽しくて、すっかり話に花が咲いてしまい、殆どDJも見ないままに寝てしまった。深夜を通してALL STAR DJsが、オープニングパーティーとして回していたそうだ。これからまだまだパーティーは続く。


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