皆既日食2009ワールドレポート

中国/上海編

上海を旅した人達
laidbacktripチーズ    →公式HPへ
パフォーマー。6月の「東京国際フール祭」では、「トカラ」のタイトルで日食をモチーフにフラフープを使った芸を披露した。
みずしま
習い事はバレエとジュニアオーケストラ。江戸文化歴史検定3級を最年少合格した、江戸大好き中学2年生。
日全食 in 上海エリア

6年来の友達が7月から上海へ赴任すると聞き、上海行きを決めました。初めての中国、娘にとっては初めての海外で、不安もありましたが行っちゃいました。

今、上海の街は来年の万博を控えて、どこもかしこも建設ラッシュ。砂埃と排気ガスと38度の暑さで、歩いてるだけで干上がりそうなのに、工事現場の男たちは汗だくで働いてます。

街中をよく見ていると「日全食」と書かれたポスターを見つけました。歴史地区[豫園]の土産物屋や、上海一の繁華街[南京東路]の百貨店では、「日食観測鏡」が各20元前後で売られています。タクシー内でも張り紙があり、地下鉄では、表紙に日全食と書かれた「時代報(メトロ新聞)」を、多くの人が手にしていました。テレビ各局でも、日食の解説や中国での歴史が流れていました。警告は、ときにはコメディタッチ。だいたいメタボなおじさんが間違った観測の仕方をし、スリムで利口なお嬢さんがそれを正すというパターンで、とても中国風☆ じわじわと国を挙げて盛り上がっているのを感じました。

天候は晴れが続いていたのに、日食前日の夕方に突然まさかの大雨! 1時間くらいでやんだので、これで空気がきれいになった〜とタカをくくっていたら、夜中に再び大雨が降りました。

当日の朝は4時起きです。市内で摩天楼越しに見るというのも乙でしたが、広いところで周囲まで見渡したいと思い、皆既の中心近くまでの日帰りツアーに参加しました。豪華中華料理の昼食付きで380元(約5200円)。集合場所の「花園飯店(ホテルオークラ)」には5時頃から人がぞくぞくと集まってきて、郊外各地へ行くツアーの大型バスは10台以上。上海全域でどれだけ同じような光景が繰り広げられてるのか? 昨日のニュースでは各国からツアー客3万人って言っていたような……。ともかく曇天の下、私たちは上海市街の南東、杭州湾の金山ビーチ(金山城市沙灘)へ向かいました。

高速で2時間弱、途中小雨もあったけど、現地は曇りときどき晴れ。1km続くキレイな人工の砂浜には、東洋人西洋人が多数来ています。タイの王女も来るということで、事前にパスポート番号を控えられ、入場は並んで一人ずつとちょっぴり厳戒態勢でしたが、割り当ての区画へ行くと余裕のスペースでゆったり。簡易トイレも完備、しかし一人終えるごとにお付きのおばちゃんがバケツの水で流すというのが中国っぽい?

各々セッティングし、いよいよ日食が始まりました。雲の合間からときどき太陽が顔を出し、おースゴイ! ホントに欠けてる! 嘘みたい! 見えるたびについ歓声をあげてしまいます。この地域では、ほぼ真上から欠け始めました。

ここにきてなんと、太陽メガネを持ってこなかった人がいることが判明。ツアコンのおじさんの呼びかけで、余分に持っている人からワイワイと譲り合い、かしこまっていた人達も打ち解けて、和やかな感じになりました。

半分も欠けると急に涼しくなってきたのを感じました。カメラをズームして見ると、雲の流れがまるで太陽の周りを踊っているみたいで、虹色の環も見えてとっても妖しい。遥かな太陽から、まっすぐビームが打ち込まれたみたいな遠近感が壮大で美しすぎです! 食分80%くらいで黒い月の丸い形も見えました。

さらに細くなってウシシと笑った口の形になった頃、鳥たちがやたら低く飛び交い、さーっと冷たい風が何度か吹きました。どうなるのかと、一同固唾をのんで曇り空を見上げ続けます。誰かの「暗くなってない?」という声に地上に目を落とすと、え? ウソー? マジ? あれよあれよという間に、どんどん暗闇の中へ入ってしまいました。ほとんど何も見えないのに立体感があって、漆黒の天球のドームに包まれたような妙に暖かい感じがしていました。泣く方もいたのでしょうが、うちの親子はただただ「ひえー」「うわー」「おおー」と、うなってウロウロするばかり。そして、上を見上げても明るいところは全く見当たらず。コロナの光だけでは厚い雲を通さないのですね。黒い太陽を拝むことはできませんでした。


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